スジ爪は縦もしくは横に線が入る状態
爪は、健康のバロメーターと言われるように、体の異変が真っ先に現れやすい場所です。爪は、ケラチンというたんぱく質でできています。爪を健康に保つためには、たんぱく質をしっかり摂取していればいいのか、というとそうではありません。ケラチンの生成には、亜鉛が必要不可欠となります。今回は、爪の表面に現れるスジの原因と対策についてご案内します。
爪とは
爪は、皮膚の表皮層から爪母によって作られ角質化したものです。三層で構成されており、各層の間に水分と脂肪を含んでいます。爪の水分は、12~16%と言われていますが、加齢や生活習慣などによってことなります。
中野区医師会のサイトにも書かれているように、爪があることで小さなものを摘まんだり、ペンを持って文字を各などの動作ができます。爪がないと指先に力が入らず、体を支え安定させることもできないのです。このように爪は、指先を保護し人間の持つ機能をサポートする役目をしてくれる皮膚の付属器官なのです。
参照⇒中野区医師会
横スジ
爪に横スジが現れたら、爪の生成に必要な栄養が十分に届いていないという状態です。親指に横スジが現れた場合は、ストレスや疲労により血流が悪くなっていることが考えられます。爪は、1日で約0.1ミリ伸びます。親指の爪に現れた横スジが、爪の付け根から何ミリのとこにできているかを見れば、いつ頃ストレスや疲労を受けたのかが判断できます。
また、爪の生え際に白く見える爪半月は、新しく生えてきたばかりの爪です。日本皮膚科学会のサイトにも書かれているように、この部位を爪のお手入れ中に間違って傷付けてしまうことでも後々、横スジが現れる原因となります。
横スジが親指だけに現れる場合は、ストレスが原因だと言われています。また、動脈硬化になると、血行不良となるため、横に深いスジが入りやすくなります。
参照⇒皮膚科Q&A
縦スジ
爪に入った縦線は、加齢や疲労の蓄積で起こりやすいと、日本皮膚科学会のサイトにも書かれています。40歳頃より出現します。縦スジは、皮膚で言いうシワのようなものです。水分補給が不足していると、縦スジが出やすいとも言われています。
縦スジは、胃腸の働きが衰えて、影響の吸収が悪くなってきたサインでもあります。それから、若いにも関わらず、縦スジが現れたら、ビタミンCや亜鉛、水分が不足している可能性があります。髪も爪と同じケラチンで構成されていますので、髪もパサパサするといった場合は、加齢だけでなく、栄養不足が原因かもしれません。
爪に縦スジが現れても年だからしょうがない、と諦めてしまう方が多くいらっしゃいますが、毎日爪をオイルマッサージで保湿してあげると改善してきます。また、手の皮膚自体が乾燥していると、爪にも縦スジができやすくなります。爪のお手入れと併せて、手の保湿ケアも行うことが大切です。
参照⇒日本皮膚科学会
縦の黒スジ
国立がん研究センターのサイトにも書かれているように、メラノーマという皮膚がんの疑いが考えられます。皮膚の色に関係するメラノサイトという細胞が、癌化し増殖すると、爪に黒っぽい縦線が徐々に現れます。初期のメラノーマは、痛みなどの自覚症状がないため、放置しがちです。
半年から1年くらいで徐々に色が濃くなり、スジが太くなってくると言われています。
しかし、メラノーマは悪性度が非常に高い皮膚癌です。黒っぽい縦線が消えない場合は、皮膚科で診てもらいましょう。初期の段階で発見された場合でも、爪全体周りの皮膚を切除し、皮膚移植するといった手術が必要となります。
参照⇒国立がん研究センター
対策
スジのない健康な爪を保つための対策について調べてみました。
血流を改善する
中野区医師会のサイトにも書かれているように、貧血になると爪の赤みが消えたり、紫がかった色になります。健康なきれいなピンク色の爪は、栄養も行き届いているためスジも入りにくいです。
長時間のデスクワークや、運動不足、猫背などは血流を悪くする原因となります。特に、肩甲骨の凝りや、肩凝りによって腕の血行が悪くなると、爪の健康にも影響が出ます。それから、手足の冷え、低血圧、低体温も血行が悪くなり、爪にスジができやすくなる原因となります。
入浴時は、湯船に浸かりしっかり体を温める、体を温める食べるを食べるなどをして改善することが大切です。また、女性の場合は、プロゲステロンの分泌量が低下すると、低体温になりやすいので、ホルモンバランスが乱れないように生活習慣を見直したり、サプリメントを摂取するなどをするようにしましょう。
腸内環境を整える
芦屋グランデクリニックのサイトにも書かれているように、腸内環境を整えることは健康維持に繋がります。十二指腸の働きが悪くなっていると、栄養をしっかり吸収することができません。即ち、爪に栄養が届きにくくなるということです。
栄養を吸収させるためには、食べ物をよく噛むことと、正しい姿勢を保ち内臓に負担をかけないようにしましょう。
発酵食品を食べることによって、腸の働きを良くすることができます。納豆、ヨーグルト、ぬか漬け、ピクルスなどを意識して食べて下さい。腸内の悪玉菌が増えて、便秘が続くと血液中に毒素が流れ込み、爪の成長に悪影響となります。
参照⇒芦屋グランデクリニック
爪に必要な栄養を摂取する
みやい内科クリニックのサイトにも書かれているように、丈夫な爪を作るためにはたんぱく質やミネラルを摂取することが重要です。
たんぱく質
大豆製品、小魚など、植物性と動物性両方のたんぱく質をバランスよく食べることが大切です。たんぱく質は、体を作るために必要な栄養です。だからと言ってたんぱく質を摂り過ぎると、体内で分解されて余ったアミノ酸が排出される際にカルシウムと一緒に排出されてしまうので気を付ける必要があります。また、女性の場合は、大豆製品を多く摂り過ぎるとホルモンバランスが乱れてしまうため、豆乳や豆腐の食べ過ぎに気を付けましょう。
ビタミン
ビタミンB群は、皮膚や髪の健康維持に必要です。健康な皮膚を保つことで、爪も丈夫にすることができます。豚肉、ナッツ類、バナナ、レバーなどに多く含まれています。ビタミンAは、乾燥を防ぎ爪の縦スジを予防してくれます。
ミネラル
野菜、海藻類、根菜、牡蠣、レバーなどに多く含まれています。鉄分は造血作用と体内の隅々に酸素や栄養を届けるために必要な栄養です。それから、亜鉛は健康な爪や髪を保つために必要な栄養です。
特に、貧血気味の人は鉄分を摂らないと爪い栄養が行き渡りにくくなり、爪が脆くなりやすいです。
除光液
みやい内科クリニックのサイトにもありますが、安い除光液や洗剤は爪にダメージを与えるとされています。
安価なアセトンが入っている除光液は爪の水分を奪います。爪の水分が失われることで、若い人でも縦スジが入りやすくなります。縦スジを隠すために、表面をヤスリで削ると更に爪に負担がかかりますので、気を付ける必要があります。
爪揉み
藤澤皮膚科のサイトにも書かれているように、爪を揉むことで簡単に副交感神経を刺激することができます。
爪の生え際には、神経が集まっています。爪の生え際を押さえることによって、自律神経を整えられます。人間に作用する自律神経には、活動時や緊張時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経があります。
現代人は、ストレスに晒されて緊張する場面が多いため、交感神経が優位になりがちです。この二つの神経の崩れが、病気や体調不良を引き起こし、爪の健康にも影響を及ぼします。
爪の生え際を揉んで、強い刺激を与えると痛みがストレスとなり、交感神経が一時的に大きく働きますが、すぐにそれを元に戻そうと副交感神経が働きます。その後、リバウンド状態によって自律神経のバランスが取れた状態を作ることができます。
自律神経のバランスが良くなると、血流が改善され、体温も上昇傾向となります。それにより、免疫力も高くなり、スジ爪も出来にくくなるのです。
揉み方は、指の第一関節の上を指でつまんで、3秒間押すだけです。全部の指を順番に揉んで下さい。1日2~3回行うだけで自律神経のバランスを整えることができます。
参照⇒藤澤皮膚科
まとめ
爪は体の一部ですが、爪の健康も全身の健康もバランスの取れた食事が基本となります。爪に気になるスジが現れたら、栄養不足、運動不足、生活習慣の乱れ、病気などを疑って、改善していきましょう。
爪に必要な栄養を摂取しても、運動不足で血行が悪くなっているため、中々効果を実感することができません。逆に、運動をして汗をかくとミネラル分が排出されるので、運動後はミネラルもしっかり摂取するようにしましょう。