匙状爪(さじじょうづめ)は爪の表面がまるでスプーンのように反り返ってしまう症状です。
原因として考えられるのは、遺伝的なものから鉄分不足、外的刺激などが考えられますが、爪の切り方によっても症状を引き起こすことがあります。
匙状爪(さじじょうづめ)は爪がスプーンのように反り返ってしまう症状
匙状爪(さじじょうづめ)は、スプーンネイルと呼ばれ、スプーンのように爪の中央部分がへこみ、先が反る症状です。
原因としては鉄欠乏性貧血つまり、体内の鉄分が足りなくなって症状が引き起こされると考えられています。そのため貧血気味の方は注意してください。
またアルカリ性物質などを使う機会が多かったり、手先に圧迫のかかるような職業の人にも多い病気です。
つまり、
「貧血気味であったり、アルカリ性物質を使う方が、普段と爪の状態が違う」と少しでも感じたら専門医に相談しておいた方が良いかもしれません。
その他の原因としては、遺伝的要因も考えられます。さらに爪の切り方によっても症状を引き起こすこともあります。
また特に爪がまだ薄い赤ちゃんも症状を引き起こすこともあります。
多くの原因が考えられる
このように見ていると、
多くの原因でささくれの症状が引きおこる可能性があることが分かるかと思います。
では、匙状爪自体に何かしら問題があるのか?という点から考えてみると、特にそのままにしておいても問題はないと言われています。しかし、原因が体の内部の疾患によるものである場合には、注意が必要です。体内の異常を爪をそらせることで知らせてくれている場合があるためです。
このようなこともあり、もし症状が現れたなら、一度専門医の受診を受けることをおススメします。
予防法
予防法としては
「鉄分を取ること」、つまり貧血の治療をすることと同じが良いとされています。なので毎日の食生活を見直すことから始めましょう。更に下記に例としてあげた食物をできるだけ摂取するように心がけましょう。
(例)
- 鉄分......レバー、海藻、緑黄色野菜、かき
- たんぱく質......魚、肉のささみ、赤身、牛乳、卵
- ビタミンB12......ハマグリ、イワシ、サケ
- 葉酸......レバー、卵黄、緑黄色野菜
- ビタミンC......果物、野菜
ただし鉄分を摂取して症状が改善に向かうのはあくまでも鉄分不足によって匙状爪の症状が引きおこっている場合です。その他が要因となって症状が引きおこっている場合には症状が改善するわけではありません。
またアルカリ性物質を扱ったことにより症状が引きおこった場合には、直接アルカリ性物質に触れないようにする必要が出てきます。
いずれにせよ何が原因で症状が引きおこっているのかを明確化する必要があるでしょう。
そのため、原因を見つけ出すこと、そしてどのように対処をした方が良いのかを知るためにも専門医に相談をするようにしましょう。
匙状爪と職業の関係
強い酸やアルカリ性の薬品を使用することの多い職業の方は匙状爪になりやすいとされています。強い酸やアルカリ性の薬品を使うことにより、部分的に貧血になります。貧血気味の人は匙状爪になりやすいので、まずは薬品を使用するのを停止するしかありません。
ここで言う貧血と
『鉄欠乏性貧血』のことを指します。『鉄欠乏性貧血』は女性に多く現れるとされています。理由としては月経のため体外に血液が排出されると、赤血球内の鉄分が不足してしまいます。すると、貧血を起こしたり、匙状爪の症状が現れたりすることがあるのです。
体内には、鉄分が溜めこまれているため、すぐに鉄分がなくなってしまうということはありませんが、溜めこまれている鉄分が一定量減少することで症状が現れる。
例えば仕事上、どうしても薬品を使用しなければいけないと言うことであれば、鉄分を意識的に摂取することをオススメします。また、指を保護するアイテムを使用するのもオススメです。
また、貧血気味の場合、爪の色が変色してしまう場合があります。症状としては爪の色が白くなったり青白くなったりします。
匙状爪と女性の関係
匙状爪と職業の関係でも話をしましたが、匙状爪は体内もしくは局部的な鉄分が不足すると現れる症状です。また、強い酸やアルカリ性の薬品を使用すると現れる症状です。
実は匙状爪には女性がなりやすいのです。大きな理由としては、
①月経による鉄分不足
女性の月経により、体内の血液は体外に排出されます。血液中には赤血球が含まれており、赤血球には鉄分が含まれています。そのため、女性は定期的に鉄分を失っていることになるのです。
②ダイエットによる鉄分不足
鉄分の摂取方法は、食べ物からです。そのため、食事をしないでダイエットをしている人は、鉄分の摂取方法がなくなってしまうのです。
①②のように、女性は定期的に鉄分を失いがちなのです。鉄分を失うと鉄欠乏性貧血になり、鉄欠乏性貧血になると匙状爪になることがあります。
これを避けるために、鉄分を意識的に摂取するのも良いでしょう。鉄分を多く含む食材を意識的に摂取したり、サプリメントで摂取することができます。
ただし、どのくらいの鉄分量を摂取すれば良いのかというのは、なかなか分からないものです。そういった時には、専門家(薬剤師、医者)の判断を仰ぐのも1つの手でしょう。
赤ちゃんに多い匙状爪・スプーンネイル
匙状爪は爪がスプーンのように反ってしまう状態のことを言いますが、実は爪の薄い子ども、特に赤ちゃんに見られることがあります。
私の子どもも生まれたときから爪が反っていますが、特に痛みはないようです。一度、専門医に診せたことがありますが、赤ちゃんの爪は薄いため、このようなことがあると話してくれました。ただ、もし痛みが出るようであれば、そのときにまた病院に来るよう指示されました。
現在2歳半ですが、今まで一度も痛がったことはありません。成長するに従い、子どもは運動するようになります。それにつれ、他の皮膚と同じように強く鍛えられていくので正常な爪になっていきます。しかし、それでもまだ爪が反っている状態であれば、他のことが原因かもしれません。
例えば
鉄欠乏性貧血つまり、体内の鉄分が足りなくなっていたりすることです。そうなると貧血を起こす可能性も出てきます。ですから、ある程度成長しても状爪であるならば、一度専門医の受診をお勧めします。
追記
この記事を書いてから5年以上経ち、子供が7歳になりましたが、若干爪が沿っている状態ではありますが、痛みを訴えたことはありません。
成長すると共に、爪も厚くなり、丈夫になってきました。
ただし、あくまでも私の子供の場合ですので、小学生になっても爪が沿っている状態で、尚且つ痛みを訴えるようでしたら、やはり専門家に相談して方が良いでしょう。
さらに追記 2017年
子供が小学校4年生になりました。現在では全く爪に関して問題はありません。反り返ってもいませんし痛みを訴えることもありません。
このように成長とともに爪が厚くなり、反り返りがなくなることもあります。